平和旬間にあたって-真の平和の実現のために働こう!-(No.108)

 日本カトリック司教団は、1982年(S.57年)6月に「平和のために行動する機会として」、8月6日~15日の時期を「平和旬間」と制定しました。期問中、私たちは人間として、そしてキリストの生き方をしようとする者として平和のために働く使命を帯びていることを再認識しなけれぱなりません。
 イエスが生まれた時に、人類にメッセージがありました:「地上に神のみ心に適う者に平和あれ!」と。「み心に適う者」とは、ただ、神のみ旨を行なう人という意味ではありません。「み心に適う者」他の言い方で言うと「神が心にとめている人、大切にされている人」とは「貧しい人、圧迫されている人、社会の隅に追いやられている人、命が粗末にあつかわれている人」のことです。神はこのような人々に私たちを通して平和をもたらしたいのです。

 「平和」は、ヘブライ語(イエスが使っていた言葉)で「シャローム」と言います。「シャローム」は物事の“充全性”を表す言葉で、“傷ついた部分のない状態”を意味する。国や民族の大多数の人が幸せに暮らしているとしても、もし、少数であっても、抑圧されたり、差別されたり、軽んじられたりされている人々がいるなら、そこには平和はありません「平和のために働<」ということは、社会の底辺にいる人々、差別を受けている人々、見捨てられている人々に近づいて彼らが尊敬され、彼らが自由と喜びを思いきり味わうことが出来るように働<ことです。 インドの独立のために命をかけたヒンズ教徒で非暴カ主義のガンジーは平和について次の言葉を残しました。 「戦争がなくならず、飢え渇く人々がいる限り、キリストはまだ生まれて来ない」。 8月8日に小倉教会で行なわれる『平和の集い』に参加し、そこで出される平和へのアピールを受けとめて、私たちのまわりにいる人々の間に平和の実現のために働きつづけたいものです。 2004年8月 ア・キニュー神父

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